ドコモに限った話ではありませんが、大手携帯キャリアでスマホを購入すると、必ずといっていいほど「補償サービス」の加入を勧められます。
勧められるというよりは、もはや「当たり前」のような感じで言われることもあるので、深く考えることもなく「じゃぁ加入しておこうかな」と加入することを了承する人もいらっしゃることでしょう。
たしかに、補償サービスというのは大切です。
万が一の紛失・破損などでスマホが使えなくなってしまった時
ましてそれが購入直後だったりするとかなり大きな損害となってしまいます。
しかしこの記事のタイトルは
「ドコモのケータイ補償サービスって本当に必要なの?いますぐ見直した方が良い理由とは」
となっていますね。
なぜ筆者がそんなことを言っているのか、今回はその理由を語っていきたいと思います。
ケータイ補償サービスの概要
まずは「ケータイ補償サービス」ってどんなんだっけ?という方のために概要を説明しておきます。
実はこのケータイ補償サービスというのは、2014年あたりから大きくサービス内容が変わっていますので、それ以前の知識しかないよという方はざっと目を通しておいていただけるとこの先のお話もわかりやすくなるかと思います。
さて、ドコモの「ケータイ補償サービス」というのは、実は「iPhone・iPad用」と「それ以外」に分かれているのをご存知でしょうか?
Androidを利用されている方は「ケータイ補償サービス」
iPhone/iPadを利用されている方は「ケータイ補償サービス for iPhone & iPad」
というサービスがそれぞれ適用されることとなります。
月額料金やサービス内容に違いがありますので、わかりやすいように区別して記載していますが、混同されないようご注意ください。
月額料金
ケータイ補償サービスの月額料金は利用している端末によって適用される月額料金が異なります。
少し複雑なので、簡単な表にまとめました。
ケータイ補償サービス | ケータイ補償サービス for iPhone & iPad | ||
2014年冬モデル以降の スマホ・タブレット | 500円/月 | iPhone 7/7P/6s/6sP | 750円/月 |
それ以外の機種 | 380円/月 | iPhone 6/6P/SE/5S iPad Pro/Air2/Air | 600円/月 |
iPhone 5c iPad mini4/mini3/mini2 | 500円/月 |
ここ1、2年以内にAndroidスマホを買ったという人は基本的に「500円/月」を支払っていることになります。
そして、iPhoneの場合はほとんどの方が「600円/月」か「750円/月」に分類されているかと思います。
サービス内容
メリットにあたるサービス内容ですが、「ケータイ補償サービス」と「ケータイ補償サービス for iPhone & iPad」でサービス内容が大きく異なります。
「ケータイ補償サービス」では以下のすべてが適用されますが、「ケータイ補償サービス for iPhone & iPad」では「1.トラブル時にスマホの交換ができる」のみが適用となっています。
1.トラブル時にスマホの交換ができる
「ケータイ補償サービス for iPhone & iPad」:可
全損・水濡れ・紛失など、通常の修理では対応できないトラブルでも、スマホを交換してもらうことができます。
もちろん、通常の破損などでも利用可能です。
申し込み後1~2日程度で交換機を送ってくれるので、修理で1、2週間スマホを預けるのは困るという方でも安心ですね。
このサービスの利用は「1年間に2回まで」と決まっており、サービス利用時は月額料金と別に利用料金がかかります。
■機種ごとのサービス利用料金はこちら
ケータイ補償サービス | ケータイ補償サービス for iPhone & iPad | ||
2014年冬モデル以降の スマホ・タブレット | 7,500円 | iPhone 7/7P/6s/6sP | 11,000円 |
それ以外の機種 | 1回目5,000円 2回目8,000円 | iPhone 6/6P/SE/5S iPad Pro/Air2/Air | 7,500円 |
iPhone 5c iPad mini4/mini3/mini2 |
2.修理代金のサポート
「ケータイ補償サービス for iPhone & iPad」:不可
通常、スマホを修理に出す場合には、それなりの修理代金がかかりますが、「ケータイ補償サービス」に加入していると、2つのサポートを受けることができます。
1.「保証対象にあたる故障時の無償修理期間延長」
キズや破損などがなく、いわゆる自然故障・初期不良のような状態の場合、無償修理を行ってくれますが、その保証期間を延長しますというもの。
2.「保証対象外にあたる故障時の修理代金上限5,000円まで」
故障個所や破損の具合にもよりますが、スマホの修理代金というのは数万円単位の高額になることもあります。
そのような場合でも「ケータイ補償サービス」に加入していると、修理代金の上限は5,000円までとなるので、安心して修理依頼をすることができます。
さらに万が一修理不可能な「水濡れ」「全損」状態であっても上記の「交換サービス」がありますので、ほとんどのトラブルは「7500円」以内で解決できるということになります。
3.データ復旧代金の割引
「ケータイ補償サービス for iPhone & iPad」:不可
ご存知ない方もいらっしゃるかと思いますが、実はドコモには「データ復旧サービス」というものがあり、電話帳などのデータを「8,000円」で復旧することができます。
このサービス利用料は「ケータイ補償サービス」に加入することで割引される仕組みになっており、2014年冬モデル以降のスマホ・タブレットをお使いの場合は「1,000円」、それ以外の端末ならば「2,000円」で利用可能になっています。
ちなみにこれらの利用料金は、データがひとつも復旧されなかった場合無料となります。
補償は大切、でも「ずっと」は必要ない
筆者が「補償サービスをいますぐ見直した方が良い」と言っているのは「加入しなくても良い」という意味ではありません。この章のタイトルにもなっていますが、「ずっと加入し続ける必要はない」という意味です。
補償というのは概要を見て頂いてわかるとおり、「修理が安くなる」「修理不可でも交換できる」というものであり、あくまでも「今使っているスマホ」に対してつけるものです。
今使っているスマホを「どうしても使い続けたい」というのであればつけておいた方がメリットが大きくなりますが、反対に「もう機種変更してもいいかな」と思う時期になれば補償をつけておくメリットはあまり感じられなくなります。
なぜなら「修理が安くなる」「修理不可でも交換できる」というメリットは機種変更するのであれば、不要になるからです。
しかし多くの方が補償はずっとつけておくものだという認識があったり、単純に忘れていたりして、加入しっぱなしになっているかと思います。
それが悪いことだとは言いませんが、冷静に考えると結構な金額を支払っていることになるので、「このタイミングで故障したら機種変更だな」と思った時には、もう不要になった補償を解約されることをおすすめします。
ずっと加入していると、修理代金はそんなに安くない
ちなみに3年間補償に加入している人で、一度だけスマホの画面を割ってしまい修理に出したことがある人は合計でいくら支払ったことになるのかご存知でしょうか?
その答えは23,000円です。
※18,000(月額500円×36カ月)+修理代金5,000円=23,000円
修理代金が5,000円になると言われればたしかに安いし「修理しておくか」となりがちですが、その後もずっと補償に加入しているのであれば総支払額は3年間で必ず23,000円になります。
画面の破損程度なら場合によっては保障未加入でもそれ以下の修理代金で済むこともあるため、やはり長期間の加入にはデメリットが大きくなる気がしますね。
では「破損」ではなく「紛失」した場合はどうでしょう?
こちらはなんと3年間で25,500円となります。
※月額18,000(500円×36カ月)+交換費用7,500円=25,500円
仮に2年目で紛失した場合でも、それまでに支払った月額料金は12,000円です。
それに交換費用7500円を足すと19500円となります。
つまり、「19,500円支払って購入から2年経過している機種と同じものを買う」ということですが、皆さんは本当にそんな選択をしますか?
私ならしません。
19,500円支払うくらいなら、これはいい機会だと機種変更をします。
じゃぁ補償サービスは初めからいらない?
ここまでを読んだだけだと、
「じゃぁ、補償サービスなんていらないじゃん」
と感じた方もいらっしゃると思いますが、そういうわけでもありません。
なぜなら、「まだそのスマホを使いたい時」にトラブルに遭ってしまった場合には機種変更という奥の手が使えないからです。
「まだそのスマホを使いたい時」というは飽きた・飽きてないだけの話ではありません。
機種購入時のサポートの兼ね合いで、短期間での機種変更は大損することがあり、変えたくても変えられないということもあります。
というのも、ドコモのスマホというのは、ほとんどの機種で機種購入時に「月々サポート」もしくは「端末購入サポート」というサポートが適用されています。
これらのサポートは、数万円単位の割引となるため非常に大きな金額が絡むサポートなのですが、機種変更後に短期間でまた機種変更をしてしまうと、サポートが打ち切りになったり、違約金が発生したりします。
補償未加入の状態では、「水濡れ」「全損」「紛失」の場合、基本的に機種変更するしかありません。
購入から2年経過しているのであればサポートも終わっているので問題ありませんが、仮に購入から3か月程度でこのような状態に陥った場合には、数万円単位の損失を生み出すことになります。
つまり、「購入後しばらくは補償に加入していた方が良い」
というのが、筆者の結論です。
「しばらく」というのは、受けているサポートやどれくらいの期間で機種変更をしようと考えているかにもよります。
筆者はだいたい半年ほどで補償は解約し、その後は不要なトラブルを避けるため細心の注意を払うようにしています。
(私はあまり家から出ないので、壊したり失くしたりするリスクが普通の人より低いです)
2年毎に機種変更をするような一般的なユーザーの方に目安を提示しておくとすれば、月々サポート対象機種なら18ヶ月程度、端末購入サポート対象機種なら12ヶ月程度の期間で良いのではないでしょうか?
いずれにしても、冷静に計算してある程度のところで「見直し」することは重要です。
ちなみに、キャリアの補償サービスにこだわらないなら、外部の企業が提供しているモバイル保険もあります。
数百円で複数台の登録ができるものや、ゲーム機なども一緒に対象に入れられるサービスもありますので、使う人によってはお得になる可能性もあります。
「そういやスマホに変える以前から、補償を解約したことは一度もないな」なんていう方は、この機会に見直しをしてみてはいかがでしょうか?