スマホを選ぶ基準とは?自分に合ったスマホの選び方を知っていますか?

 日本でiPhoneが発売されたのが2008年、Androidがたしか翌年の2009年あたりだったので、世にスマホが出回ってから10年近く経過したことになります。
 はじめの頃は四苦八苦していたスマホユーザーも、今や「スマホが無いと生きられない」なんて思っている方が多いのではないでしょうか?

 さて、そんなスマートフォンですが、皆さんは今使っているスマホをどういう理由で選びましたか?

「安かったから」

「機能がたくさん付いているから」

「前と同じメーカーの最新モデルだから」

 ほとんどの方はこんな感じの理由だと思います。

 今では多くの種類があり、機種変更の時に新しい1台を決めるのにも、ひと苦労するスマホ選び。ここらで自分のスマホを選ぶ時の「基準」を明確にしておいたほうが良いのかもしれませんね。
 そこで今回は、筆者が考えるスマホ購入時の選定ポイントを「利用機能」「利用環境」「利用者」という3つの項目に分けてご紹介します。

 ちなみにこの記事は「【保存版】スマホ購入時の比較・選定ポイント総まとめ」の続き&補足版です。
前の記事を読んでいなくても理解できますが、よろしければこちらもご覧ください。

利用機能別選定ポイント

 スマートフォンには色々な機能がありますので、どれかひとつだけしか使わないという人はほとんどいらっしゃらないと思います。
 しかし、利用頻度に偏りがあり、特定の機能をよく使うという人は多いのではないでしょうか?そこでまずは「よく使う機能」から機種を選定するポイントをまとめていきたいと思います。

電話が多い人が選ぶべきスマホ

 ビジネスマンなどの、電話を多く使う人が気にするべきポイントは何をおいても「通話品質」です。通話品質が低いスマホというのは存外にストレスが多く、いつも途切れ途切れの通話では相手にも悪い印象を与えてしまいます。

 「通話品質って電波の問題じゃないの?」
 「同じキャリアならどの機種も同じでしょ?」
 と考えがちですが、実際には機種によって異なるので、購入する前のリサーチが大切です。最新機種にこだわりすぎず、しっかりと情報が出揃っているものの中から選ぶようにしましょう。

ハードのトラブルに要注意
 ソフトの異常によって通話品質に影響が出ている場合は、アップデート対応によってなんとかなる場合が多いです。アップデート対応にはお金も時間も基本的にかからないので、そこまで利用者に影響はありません。
 しかし、ハードの異常、もしくは仕様上どうしようもないことの場合、何度も修理に出したり、挙句買い替えをするしかなかったりと悲惨な状況に陥りがちです。

 以前にはハードの構造上、通話する際に重要となるレシーバー部に埃がたまりやすく、しばらく使うと通話に支障がでる機種もありました。
 購入前にしっかりリサーチし、同メーカーの機種で過去に似たようなトラブルがなかったか、またそのトラブルは現行のシリーズでは改善されているのかなどをしっかりと確認するようにしましょう。

 ソフト:OSやアプリなどスマホ内部の目に見えないデータの部分
 ハード:機器や部品などのスマホを構成する外側の部分

 通話重視で機種を選ぶ場合、取り回しの良い小型モデルが人気ですが、小型モデルを選ぶ際にはバッテリー容量に注意しましょう。
 小型モデルのスマホは本体の大きさに比例して電池も小型になっていることが多く、バッテリー容量が少ないものが多いので、実は連続通話にはあまり適していません。バッテリー切れは困るという方は、パンフレットなどを見て連続通話時間や連続待ち受け時間を確認し、実使用に耐えるうるかどうかよく考えてから購入するようにしましょう。

WEBサイトの閲覧(検索)が多い人が選ぶべきスマホ

 WEBサイトの閲覧が多い人ならば、「見やすさ」「使いやすさ」「大きさ」に重きをおいて選ぶようにしましょう。

 ディスプレイの見やすさは、ディスプレイが「有機EL」なのか「液晶」なのかで見え方が異なります。「有機ELディスプレイ」の場合、「綺麗」「省電力」なのでWEBサイトの閲覧に向いていますが、構造上の問題で「屋外」や「明るい場所」で見る場合には少し暗い(見づらい)と感じるかもしれません。

関連項目:「有機ELディスプレイと液晶ディスプレイの違い
 
 写真や動画よりも文字を見ることが多い人や、屋内でも屋外でも多く使う人の場合、”液晶ディスプレイ”で十分だと言えます。
 文字よりも写真や動画を見ることが多い人や、屋内で利用することが多い人の場合、”有機ELディスプレイ”の方が満足感が高くなるのではないでしょうか。
 いずれにしても、見え方というのは人によって微妙に異なるため、店頭で見本のスマートフォンを実際に見て、確認してみるのが良いでしょう。

 使いやすさに関しては、「OS」に大きく依存します。
 慣れているスマートフォンがandroid(アンドロイド)ならばandroidを、iOS(iPhone)ならばiOSを選べば、大きく使い方が変わるということもないので、極端に使いづらくなるということはありません。

 あとは、本体の大きさや厚み、ボタンの配置などをよく見て、選ぶのが良いでしょう。人それぞれ手の大きさや形が違うので、自分の手に馴染むものを選ぶのが大切です。
 可能性であれば実際に手に持ち、文字入力、片手使用、両手使用を行い、使いづらい部分がないかをしっかりと見極めてから購入しましょう。

動画視聴が多い人が選ぶべきスマホ

 動画視聴が多い人が気にするポイントは「画面の大きさ」「画面の綺麗さ」「通信速度」といったところでしょうか?

 画面の大きさは大きいほど見やすいですが、大きさに比例して本体も大きくなってしまいます。画面の大きさでスマホを選ぶ場合はベゼル幅(ディスプレイ外の額縁幅)にも意識を向けてスマホ全体の大きさもしっかり確認するようにしましょう。

 画面の綺麗さで言えばやはり「有機ELディスプレイ」がおすすめです。映画やドラマの画面が暗くなるシーンでも綺麗な映像を楽しむことができます。

 通信速度に関しては、Wi-Fi利用が多いなら「対応Wi-Fi規格」をしっかり確認しておきましょう。動画を見るなら速度が速く安定していて、他の機器の干渉を受けにくい5Ghz帯での接続が快適です。もちろんルーターの仕様やWi-Fiの回線速度にも依存しますので、同様に確認しておく必要があります。

関連項目:対応Wi-Fi規格とは

SNSが多い人が選ぶべきスマホ

 閲覧が多い人や文字の投稿しかしない人ならば、【WEBサイトの閲覧(検索)が多い人が選ぶべきスマホ】と同様の基準で選ぶのが良いでしょう。
 それだけではなく、写真の投稿を行う人ならば、カメラにこだわって選ぶとより満足感が高くなります。

 凄く綺麗に写真を撮ろうと思うと、色々な機能を使いこなす必要がありますが、ただのSNSでそこまでを求めている人は存外に多くありません。
 どちらかと言えば「普通に撮った写真が勝手に綺麗に撮影される機種」というが理想なのではないでしょうか。
 そういう点で選ぶならば、「galaxyシリーズ」「Xperiaシリーズ」「iPhone」の3つがおすすめです。筆者は現在日本で発売されているほぼすべてのメーカーの機種を使ったことがありますが、やはりこの3つのスマホはずば抜けて綺麗な写真が撮れる印象があります。

 綺麗に写真が撮れる機種というと、どうしても画素数に目を向けがちですが、スマホの場合は手ぶれ補正が重要です。レンズが小さく、片手で撮影することも多いスマホだからこそ、手ぶれ補正によって出来上がる写真の印象が大きく変わります。手ぶれ補正には「電子式」「光学式」がありますが、「光学式」を選ぶのが良いでしょう。

ゲームなどアプリを多く使う人

 アプリを多く使ううえで必要になってくるのは「処理能力」です。とくに最近のゲームアプリは大容量で大迫力なものも多いので、それなりの保存スペースや作業スペース、処理能力を確保しておかなければいけません。

 保存スペースにあたる「ROM」
 作業スペースにあたる「RAM」
 はできるだけ大きいものを選びましょう。

関連項目:「ROM」と「RAM」

 処理能力に関しては「CPU」を見れば良いのですが、見るべきは「コア数」よりも「クロック周波数」です。

関連項目:CPU性能「クロック周波数」と「コア数」

 ちなみに、OSだけで比較するなら、安定性はiPhoneの方が高いと感じます。
 ただ、AndroidにはiPhoneに無いアプリも多くありますので(最近ではかなり差が無くなってきていますが)、一長一短とも言えます。

利用環境別選定ポイント

 使い方や利用シーンは人それぞれ。ここでは利用環境別にベストなスマホを選定するポイントをまとめていきます。

バッテリー持ち重視の人

 とにかくバッテリー持ち重視だという人は、「バッテリー性能」「省電力」、そして「使い方」が重要なポイントとなります。

 一番バッテリー持ちが良いのは「省電力x大容量バッテリー」です。どちらかひとつだけだと、魅力は半減してしまいます。通話が多い人は「連続通話時間」が長いものを、それ以外の機能が多い人は「ディスプレイ」が省電力化されているものを選ぶのが良いでしょう。

 ちなみに「iPhoneの方が持ちが良い」「いや、Androidの方が」と言われるのは、使う人や利用環境によってバッテリーが減る原因が違うからだと言えます。
 つまり、自分の利用環境に合った機能が省電力化されており、かつバッテリー容量が大きいものを選ぶというのがベストな選択となるということです。

 バッテリー容量だけを見て決める人も多いようですが、しっかりと他の要素も踏まえて検討しましょう。

必要最低限しか使わない人

 必要最低限しか使わないからなんでもいいんだよという方には「バランスの良い機種」「操作が簡単な機種」「価格の安い機種」がおすすめです。

 操作性や性能面で見て、バランスが良いのはやはりiPhoneです。
 直感的な操作ができ、非常に使いやすいので、必要最低限でも最高のパフォーマンスを発揮してくれます。
 日本はiPhoneユーザーが多いので、もしわからないことがあっても、まわりの人に助けを求めることができるというのもメリットのひとつです。

 Androidが良いという方には「廉価モデル」「ミドルレンジモデル」といった低価格・中パフォーマンスのモデルがおすすめです。
 最近のミドルレンジモデルは、価格を抑えるためにパフォーマンスを落としていると言ってもなかなかの実力を兼ね備えているので、必要最低限ならば十分過ぎる性能です。

 操作に不安があるという方は、「シンプルメニュー」が搭載されているものや「らくらくスマホ」のようなものも視野に入れておく必要があります。

今までと変わらない使い方をしたい人

 機種が変わるたびに操作を覚えるのが嫌だという人は、早い段階でiPhoneにしておくことをおすすめします。

 iPhoneの場合、OSのバージョンが変わっても基本的な部分はそう多く変わらないので、いつまでも同じような操作感で利用することができます。

 反対にAndroidの場合は同じメーカーであってもOSのバージョンが変わると操作方法が劇的に変わることがあるため注意が必要です。

セキュリティ面を気にする人

 セキュリティ面で優秀なのはiPhoneです。

 Androidはカスタマイズ性が高くその自由度の高さが売りなのですが、それ故に付け込まれる「隙」が多いというのも事実です。しっかりと対策するのであればAndroidでも問題ありませんが、細かいことはわからないけどセキュリティ面は重要視したいという方であれば、iPhoneにしておくのが無難だと言えます。

利用者別選定ポイント

最後に利用者別の選定ポイントを簡単にまとめておこうと思います。

ビジネスマン

 ビジネスマンであれば、「通話機能」「バッテリー持ち」「処理能力」に重きを置いた機種選定がベストです。

 +αで言えば、充電速度が速いものを選んでおくと、充電し忘れてしまった時でも朝起きてからの充電で間に合いますので、安心して利用することができます。

 必要に応じてテザリングBluetoothおサイフケータイあたりもしっかりと抑えておきたいところです。もちろん会社用として併用するのであればセキュリティ面も重視する必要があります。

主婦

 家の中でスマホを使うことが多い人にとって、バッテリー問題というのは最近あまり気にならない部分なのではないでしょうか?

 最近のスマホはどれをとっても1日は普通に使えるくらいバッテリー性能が上がっていますので、ある程度は度外視してもかまわないと感じます。

 忙しい人ならば、Siriが使えるiPhoneがおすすめです。音声操作でリマインダーに記録したり、時間や天気の確認もできますので、非常に便利ですし、iPhoneはプリインストールされている「メモ」「電卓」などのツールも使いやすいので、色々なシーンで活用できます。

 ゆとりのある人で、楽しみながら家事をしたいというような方ならば、防水タイプのスマホがおすすめです。料理や洗い物をしながら動画をみることもできますし、Androidには音楽の再生に強い機種もありますので、洗濯物を干しながら音楽を聴くというのも良いですね。

学生・若年層

 ある学生さんが「スマホとはiPhoneのことで、iPhone以外はスマホじゃない」なんて言っているのを聞いたことがあるくらい、圧倒的にiPhoneの支持率が高いと感じます。たしかに見た目やみんなと同じが良いという理由で選ぶならiPhoneが良いですし、性能面で見ても不満はないと思いますので、よい選択をできている場合も多いと思います。

 ただ、こだわりが強い人ならば、Androidの方が使っていて楽しいと感じるかもしれません。筆者はどちらもつかっていますが、こだわりがMAXだった最初の頃は「絶対Androidの方が良い!」と強く思っていました。

 ホーム画面をゴリッゴリに自分仕様にしたい!という方や特定の機能だけを多く使うという人にはAndroidがおすすめですよ。

子供/高齢者

 お子様や高齢の方におすすめのスマホというのは、実は結構難しい問題です。どちらも「操作」が問題となる場合が多いのですが、どこまでできるかの差が人によって大きくあるのが原因だと言えます。

 根気よく操作を覚えることができる人ならばiPhoneを選ぶ方が最終的には楽にスマホを使えるようになると思います。

 子供はアプリ、高齢者は写真を多く取り込むことがあるため、安易に「一番安いのでいいでしょ」なんて決め方をすると、容量不足で後々困ることもあるため、どういうことをしたいのか明確にしてから機種選定することをおすすめします。ちなみに、どうしてもスマホでないといけないという理由がなければ、はじめは通信専用のタブレットから慣れていくという方法もあります。

まとめ

 これからもスマホ時代はしばらく続きそうです。
 その中で何台のスマホを使うことになるのかはわかりませんが、早い段階で自分に必要な機能や性能はどういったものなのかということを明確にしておけば、快適なスマートフォンライフが送れるようになります。

 わからない人はどうしても、お店の人が勧めるままに購入してしまうこともあると思いますが、それではベストな選択とは言えません。スマホはあらゆる製品の中でもダントツで利用頻度が高いですし、同じものを長く使います。それだけに、慎重な選択を心がけたいものですね。