フリーWi-Fiを利用するという人の中にも“フリーWi-Fiは危険”という噂が流れているのを耳にしたことがあると人も多いと思います。
「Wi-Fi自体あまりよくわかってないのに、危険と言われてもイマイチピンと来ない」などと言いながらなんでもかんでもフリーWi-Fiに接続していたら、もしかすると痛い目にあってしまうかもしれません。
目次
フリーWi-Fiのなにがどう危険なの?
“フリーWi-Fiは危険”と言っても何が危険なのかをわかっていないと対策することすらできません。そこでまずはフリーWi-Fiが危険だと言われる原因からお話していきましょう。
まず、第一にフリーWi-FiはWi-Fiの提供元がはっきりしている公共のフリーWi-Fiと提供元がわからないいわゆる“野良Wi-Fi”のふたつがあります。
「野良Wi-Fiって聞いたことがない」という人でも、何も掲示されていない場所でWi-Fiの電波を勝手にスマートフォンが拾ってきて“Wi-Fiが利用できます”と通知されているのを見たことがある人はいらっしゃるかと思います。
こうした提供元のわからないWi-Fiのことを“野良Wi-Fi”と言いますが、野良Wi-Fiの中には通信が暗号化されておらず通信内容が筒抜けになってしまうものだけでなく、悪質なものだとウイルスのインストールが自動的に始まってしまうものすらあり大変危険です。
日本国内であれば、ここでWi-Fiが飛んでいるのはおかしいと気づくことも出来るかもしれませんが、フリーWi-Fiをよく使うであろう海外ともなるとその判断は難しく、中には公共のWi-Fiを装ったネーミングのものもありますので渡航先の情報をある程度知っているひとでないと見分けることは困難なケースもあります。
では、反対に公共のものであれば安心かというとそういうわけでもありません。
皆さまに馴染み深いフリーWi-Fiというと“docomoWi-Fi”、“auWi-Fi”、“SOFTBANKWi-Fi”といった携帯各社が提供しているWi-Fiだと思います。こうしたWi-Fiは各種施設、コンビニ等で幅広く利用されていますが、提供元がはっきりしており暗号化方式も比較的新しいものを採用しているためまだ安心して利用することができます。
しかし、こういったものに“絶対の安心”というのはできないものです。通信というのは本来なにも暗号化をしていないとその中身はかなりのレベルで筒抜け状態になっています。公衆無線LANサービスの中にはこの暗号化レベルを高いものにしているところもありますが、まだまだ暗号化レベルが低いものも存在します。
暗号化のレベルが低い、もしくは暗号化されていないWi-Fiに接続していたとしてもSSL通信(httpsから始まるURLのもの)を行えばかなりのレベルで情報漏えいを防ぐことはできますが、このSSL通信に関してもすべてがそうなっているというわけではありません。
無料のWi-Fiというとなんとも便利な響きですが、それなりのリスクはあるということだけは忘れないようにしましょう。
どんなことに気をつければいいの?
そうは言っても無料のWi-Fiスポットというのは、とても便利なものです。海外のように料金が気になる場合や国内であっても通信量が制限されている時など、どうしても使いたいと感じることもあります。
そんな時、出来る限りリスクを下げるためにはどんなことに気をつければ良いのかいくつかのポイントをご紹介しましょう。
野良Wi-Fiは使わない
これはもう言うまでありませんが、よほどの緊急事態でないかぎり野良Wi-Fiには接続してはいけません。
たまにWi-Fiの機能をずっとONにしているという人も見かけますが、このような人は知らない間に野良Wi-Fiに接続してしまっている危険性があります。
野良Wi-Fiは電波なので、どうしても人間の目では感じ取ることはできません。使わない場面ではしっかりとWi-Fi機能をOFFにしておき不用意な接続は避けるように心がけましょう。
暗号化方式に気をつける
Wi-Fiには暗号化方式がいくつかありWi-Fiを接続する時に表示されている、None(暗号化なし)/WEP/WAP/WAP2などがこれにあたります。
この中で特に気をつけなければいけないのは、None(暗号化なし)とWEPです。
暗号化されていないものが危険なのは当たり前のことですが、暗号化されっているWEPであってもその危険度はかなり高いと言えます。
WEPというのは、この中で一番古くから採用されている暗号化方式で様々な検証を重ねた結果その脆弱性が指摘されています。
簡単に言うと、暗号化はされているけどその解読方法が広く知られているため見る人が見ればわかる状態になっているということです。
こういったものは、時代と共に移り変わっていくものなので、この間まで「安心だ」と言われていたものが手の平を返したように「危険だ」と言われるようになることも少なくありません。
単純にWEPには接続しないようにするということだけでなく、最新の情報にもしっかりとアンテナを張っておく必要があります。
ネットバンキングなど重要な情報にはアクセスしない
いかに通信が暗号化されているとしても、不特定多数がアクセスするスポットで重要な情報にアクセスしてはいけません。
人によって重要な情報というのはことなりますが、やはりネットバンキングやクレジットカード情報など他人には知られたくない“何か”にはアクセスしないにこしたことはありません。
この他にも最近ではSNSの乗っ取りなども考えらえるため“ログインして使う”というサービスはあまりこういったWi-Fiスポットでは利用しない方がいいかもしれませんね。
出来る限りSSL通信ができるサイトを利用する
最近ではSSL通信を採用しているサイトが増えてきているため、各種ネットバンキングやクレジットカードのサイトなどは高いセキュリティを維持していると言えますが、まだまだすべてのサービスがそうなっているというわけではありません。
SSL通信を行う場合URLの先頭がhttpsから始まっており、ブラウザのURL欄に鍵マークが表示されているはずなので、パスワード等の情報を打ち込む前にしっかりと確認しておく必要があります。
海外の場合はレンタルWi-Fiルーターという手段もある
海外旅行をする場合はなにも危険なフリーWi-Fiに繋がなくても、Wi-Fiルーターを国内でレンタルしてもっていくという方法があります。
これに関連しては前々回の記事でまとめているので、参考にしていただければと思いますが、レンタルWi-Fiルーターというのは、海外でも日本国内と同じようにスマートフォンを使えるようにするためのもので、キャリアの海外プランよりも安価で利用できるため、最近では利用者数も増えてきています。
私も海外へ行く際は、必ずWi-Fiルーターをレンタルしていますが、使い勝手もよく家族も一緒に使ったりもできるのでとてもおすすめです。
一度も借りたことがないという人は次回の旅行の際にぜひ使ってみてください。