皆さんはスマホを購入する時に、どんなことを意識して選んでいますか?
一応はパンフレットを貰ってきてなんとなく比較してみるものの、スペック表に書いてある言葉の意味すら分からずに、適当に決めてしまうなんて人も多いのではないでしょうか?
なんとなく「今と同じメーカーのでいいや!」と決めてしまうのも悪くありませんが、せっかく高いお金を払って、2年や3年といった長い期間利用するのですから、慎重に「ベストなスマホ」を選定したいものです。
そこで今回は、用語解説も含めて、スマホ購入時の比較・選定ポイントを総まとめしてご紹介していきます。
ここに書いてあることを覚えるのは大変ですので、ブックマークにでも保存しておいて必要な時にこのページを見ながら検討して下さいね。
目次
スマホを選ぶ時にみんなが気にするポイント
スマホを選ぶ基準というはいくつかありますので、いくつかの項目にわけてご紹介していきます。
基本スペック(基本性能)編
大切な基本スペック、ここが分かればスマホの選定・比較ポイントの大半を理解できると思います。
OS(オーエス)
今は「iOS」もしくは「Android」の二択で考えている人がほとんどだと思います。
好みによって選ぶものですが、どちらも一長一短です。
筆者の印象では
Android=カスタマイズ性(自由度)が高いけどその分セキュリティ面で劣る、こだわりがある人には使いやすい。
iOS(iPhone)=カスタマイズ性が低いけどセキュリティ面は優秀、型にはまった使い方をする人には使いやすい。
といったところです。
メーカー
iPhoneの場合はApple一択ですが、Androidの場合は多くのメーカーがAndroid搭載スマホを発売しています。
メーカーによって、同じようなスペックでも実使用に差が出る部分もあり、若干の癖があります。
CPU
CPUとは人に例えるなら「頭脳」にあたる部分ですね。
見るべきは「クロック周波数」と「コア数」の2つです。
クロック周波数は「〇〇GHz」と記載されており、基本的には〇〇に入る数字が大きくなればなるほど「処理速度」が速いということになります。
コア数は「〇〇コア」と記載されており、デュアルコア(2コア)、クアッドコア(4コア)、ヘキサコア(6コア)、オクタコア(8コア)などがあります。
コア数が多ければ多いほど良いのかと言えば必ずしもそうではありません。
イメージしやすいように人で例えると、2人よりも4人、4人よりも6人の方が多くのことを同時に処理することができます。
しかし、「子供8人」対「大人6人」の場合はどうでしょう?作業内容にもよりますが、基本的には「大人6人」の方が多く処理できるのではないでしょうか?
このことからわかる通り、処理能力はコア数だけでなく個々の性能にも依存していますので、数だけ見て「多いほうが良い」というのは間違いである場合があります。
RAM(ラム)
アプリ(プログラム)を実行する際に使う作業領域のことです。
イメージで言うならば「机」のようなものです。
RAMが大きければ大きいほど多くの作業ができるので、基本的には数値が大きい方が優秀だと捉えることができます。
ROM(ロム)
スマホ内部にデータを保存する際の保存場所です。
RAMが「机」だとすると、ROMは「引き出し」や「本棚」に例えられます。
ROMが大きければ大きいほど、多くのデータを保存することができるので、基本的には数値が大きい方が優秀だと捉えることができます。
対応外部メモリ
外部メモリと言えば「microSDカード」が主流です。
スマホには最大対応容量が決められていますので、32GBのmicroSDまでしか対応していないスマホで64GBのmicroSDを使うことはできません。
実はmicroSDカードというのは容量によって名称が異なり、現在のスマホでよく使われているのは4GB~32GBのmicroSDHCと64GB~2TBのmicroSDXCの2種類です。
ちなみに、microSDXCをmicroSDHCまでしか対応していない機種に挿入すると、思わぬトラブルの元になりますので、注意が必要です。
バッテリー容量
〇〇mAH(ミリアンペアアワー)と記載されているものがこれですね。
単純に数字が大きいほど、バッテリー容量が多いということになりますが、だからといってそれだけで「長時間利用できる」とは限りません。
溜められる量が多くても、消費が多ければそれだけ短時間でバッテリーを消耗することになるため、この数字だけで「電池持ち」を判断するのは早計です。
最大通信速度
通信には「受信」と「送信」がありますので、受信時最大○○MB、送信時最大○○MBなどとうふうに記載されています。
この数字が大きければ大きいほど通信速度は「速い」ということになりますが、あくまでも最大なので、常にその速度で通信できるわけではありません。
そもそも家の中ではWi-Fiで利用するという人も多いと思いますので、よほど速度にこだわりがある人以外があまり気にする必要もないかと思います。
連続待受時間
電源入れっぱなしで放置して、どれくらいバッテリーが持つのかというものです。
電池持ちを気にするなら、一応この「連続待受時間」も比較する際の判断材料とするべきでしょう。
連続通話時間
言葉のとおり、どれくらい連続で通話できるのかを表すものです。
電池持ちを気にする人の中で、電話をよく使うという人は判断材料として確認しておくべきですが、通話時間は電波状態にも左右されますので、あくまでも参考程度に考えておきましょう。
ディスプレイの種類・仕様
スマホには有機ELディスプレイと液晶ディスプレイがあり、どちらも一長一短です。
有機ELというのは発光を伴う物理現象を指すので、これらの明確な違いとして「バックライトの有無」があげられます。
バックライトが不要な有機ELディスプレイの場合、その分薄型にできたり、バッテリー消費を抑えたりすることが可能ですが、その反面劣化速度が速いので、画面の焼きつきが起こりやすいという特徴もあります。
その他にも外部の光が映り込む度合いや、コントラストなんかも違いがありますが、重要なのは「実際に見てみてどうか」という部分なので、あまりスペック比較の時点で悩む要素ではないとも言えます。
充電時間
最近のスマホはバッテリー容量が大きくなっていますので、その分充電にも時間がかかってしまうようなイメージがあります。
しかし実際にはほとんどのスマホが急速充電できるようになっているので、思っているよりも速く充電することが可能です。
朝の短時間で充電したいという人は、この時間を気にすると良いでしょう。
カメラ画素数
一般的には画素数が高い=綺麗という認識が広まっていますが、これは必ずしも正しいとは言い切れません。
そもそも、一般人からすると最近のスマホの写真はどれも綺麗ですし、こだわりがある人ならこのあたりの話はよくご存知だと思うので、あえて詳細を書く必要もないかと思います。
一般の方が少しでも綺麗に…と考える場合は、画素数よりも光学式の手ぶれ補正が出来るものを選ぶと良いのではないでしょうか。
SIM形状
大手キャリアで契約している人の場合はこれを気にする必要はありません。
ただ、格安SIMを利用する人の場合は必ず確認しておかないと、今使っているSIMと合わずにお金を払って変更しないといけないなんてこともありますのでご注意を。
通信・外部接続編
このあたりの話は知らな人や気にしていない人も多いはずです。
知っていればそれだけ快適に利用できるのですが、「難しいことは気にしない!」という人は、この項目は飛ばしても構いません。
対応エリア
今やどこでもスマホが繋がる時代ですが、場所によっては高速通信ができなかったり、電波が入らなかったりすることもあります。
同じキャリアのスマホを購入するのであれば基本的に気にする必要はありませんが、別のキャリアに「のりかえ」をする場合は、対応エリアをしっかり確認しておきましょう。
対応周波数帯
これは基本的にSIMフリースマホ(格安スマホ)で気にするべき部分です。
これも詳しく書くと膨大な量になるので割愛しますが、何もわからないという方は格安SIMとセットで購入すれば間違いありません。
より快適な環境を目指したいという方は、日本国内で利用できる周波数帯の一覧やその特徴を調べてから、対応可否を確認しましょう。
対応Wi-Fi規格
Wi-Fiの対応規格はIEEE802.11a/b/g/n/acといった感じでパフレットなどに記載されていますが、この場合、「IEEE.802.11a」「IEEE.802.11b」「IEEE.802.11g」「IEEE.802.11n」「IEEE.802.11ac」に対応しているということになります。
それぞれ対応している周波数帯と最大速度などに違いがあり、多く対応している方が優秀だと考えることもできます。
規格 | 周波数帯 | 最大通信速度 |
---|---|---|
IEEE802.11a | 5GHz | 54Mbps |
IEEE802.11b | 2.4GHz | 11Mbps |
IEEE802.11g | 2.4GHz | 54Mbps |
IEEE802.11n | 2.4GHz | 600Mbps |
5GHz | 600Mbps | |
IEEE802.11ac | 5GHz | 6.9Gbps |
ついでに上の表の真ん中の列にある2.4GHz帯と5GHz帯の特徴を簡単に説明しておきましょう。
→障害物に強く、長い距離での利用が得意だが、電波の干渉を受けやすい。5GHz帯と比較すると低速。
→障害物に弱く、長い距離での利用は苦手だが、電波の干渉は受けにくい。2.4GHz帯と比較すると高速。
2.4GHz帯は昔から使われているので、色々な製品で利用されています。
電子レンジなどにも使用されているので、家の中では干渉されやすい環境にあるとも言えますね。
5GHz帯はまだまだ新しい帯域なので、他の機器に干渉されるリスクは少ないと考えられます。
よって、スマホやパソコンのように通信の頻度が高いものは5GHz帯で利用する方が快適だといえます。
テザリング機能
スマホをモバイルルーター代わりにしたいという人には必須の機能です。
USBテザリング(有線)・Wi-Fiテザリング(無線)・Bluetoothテザリング(無線)といった種類があります。
筆者は外でパソコンを使う時はUSBテザリングを使います。
やっぱり、有線が一番安定していて使いやすいです。
Bluetooth
Bluetoothと言えば「ワイヤレスイヤホン」を思い浮かべる人が多いのではないでしょうか?
しかし、Bluetooth対応と言っても「ワイヤレスイヤホン」が必ず使えるとは限らないのです。
一般的にはあまり気にする必要はありませんが、使いたいBluetooth製品がある場合は対応可否を必ず確認しておきましょう。
Bluetoothに関しては詳しく知りたい方は「Bluetooth(ブルートゥース)とは?同じようで違うBluetoothの種類とプロファイル」をご覧ください。
赤外線通信
これはガラケーの頃からありますので、説明は不要だと思います。
データの送受信という点で見ると、今や赤外線通信より優れたものがいくつかありますので、必須の機能ではありません。
NFC
至近距離で利用できる無線通信です。
つまり、おサイフケータイのようにかざして使うアレのことですね。
用途としてはデータの送受信やNFCタグを使ったデータの読み取りなどがあり、Bluetoothのペアリングする際に使うこともあります。
おサイフケータイ(FeliCa)
日本国内でおサイフケータイと言えばFelicaです。
上記のNFCとの違いはセキュリティ面にあり、安全な通信が行えるからこそおサイフケータイとして広く普及したものと考えられます。
決済時のみならず、会員カードやスマートキーとして使われることもあるため、できれば対応機種を選ぶ方が無難です。
外観・デザイン・ハード編
見た目やデザインって大事ですが、実際どういう所を見れば良いかわからないという方も多いのではないでしょうか?
ここでは、「そんなの気にしてなかった」という細かい点までご紹介していきます。
デザイン・カラーバリエーション
これを気にする人は結構多いと思いますが、「カバー」をつけるのであれば、実はそれほど重要な項目ではありません。
カバーを外して、「あ、このスマホこんな色だったんだ」なんて思うことがある人は、もはや悩む必要すらないですよね。
画面の大きさ
画面が大きいスマホはそれだけ見やすくなりますが、その分本体が大きくなるというデメリットもあります。
画面の大きさだけでなく、ベゼル幅(スマホ前面のディスプレイ外の額縁幅)も気にするようにしましょう。
本体の大きさ
上記の画面の大きさと同じような部分ですが、忘れてはいけないのが、「厚み」です。
薄型モデルの方が持ち運びしやすいというメリットがありますが、その分電池まで薄くなっていることもありますので、薄型モデルを選ぶ時は基本スペックで劣る部分がないかしっかり確認しておきましょう。
重量
重たいスマホはカバンに入れていても邪魔に感じますし、仰向けになって使っているとだんだん腕に負担がかかってきて疲れてしまいます。
意外と見落とされがちな重量ですが、快適にスマホを使うなら、やはり軽い方が使いやすいのではないでしょうか?
ハードキーの有無と位置
数年前まで標準搭載されていたホームボタンや戻るボタンなどのハードキー(物理ボタン)ですが、最近ではタッチパネルの中に組み込まれているものも多いです。
それでも、電源ボタンや音量ボタンはまだまだハードキーを利用していますよね?
これらのボタンは、ものによって押し辛かったり、場所が悪くて指が届かないなんていうこともありますので、頻繁に押す「電源ボタン」の位置くらいは手に持って確認するようにしておきましょう。
大型モデルで、頭に電源ボタンがあるような機種は手が小さい人には不向きですのでご注意を。
各種接続端子の配置と種類
これも気にしていない人が多いですが、中にはとても不親切な設計になっているものもありますので、注意が必要です。
特に縦向きにスタンドに立てかけてスマホを使う人にとって、充電ケーブルやイヤホンの接続端子が下に付いている機種は使いにくかと思います。
ちなみに横に接続端子が付いている場合は左側が多いですが、左利きの人や左手でよく使う人だと機種によっては邪魔に感じることもありますので、ここもチェックしておくと良いかもしれません。
そして、最近のAndroidスマホには充電端子が「USB Type-C専用」になっているものがあります。
今までほとんどのAndroidスマホで使われていた「USB micro-B」が利用できませんので、購入前に必ず確認しておきましょう。
関連記事:【USB type-Cとは?】Androidスマホの充電器が変わる!Xperia XZにも採用されている新規格。
便利機能・その他編
スマホにはたくさんの機能がありますが、使っているものと使っていないものがあると思います。
ちなみにここで紹介する便利機能というのは、後でアプリを入れて機能を追加することができない類のものを指します。
あとで「あれ使えないじゃん!」とならないように、しっかり確認しておきましょう。
VoLTE
VoLTEというのは、高速かつ高品質で通話ができる機能です。
特に発信直後からコール音が鳴るまでの時間はかなり短く、昔なら「pu…pu…pu…pu…pu…….pururururu」だったのが「…purururururu」くらいに早くなっています。
↑この説明、わかる人にはわかるハズ、わからない人はごめんなさい。
ちなみに、現状は同じキャリアかつVoLTE対応機種同士でしか利用することができません。
そしてもう一点、このVoLTEのおかげで通話中の高速通信も利用可能になります。
つまり、電話しながら同じスマホでインターネット通信ができるということです。
VoLTEに関しては過去に「2016年夏モデルに対応しているVoLTE(HD+)って何?」でもご紹介しています。
ワンセグ・フルセグ
スマホでは色々な動画が見られるので、あえてテレビ番組を見ようとは思わないという人も多いと思いますが、いまだに「テレビが大好き」という人にとっては欠かせない機能です。
ワンセグよりもフルセグの方が圧倒的に綺麗に見られるので、テレビ番組をみたい方はできればフルセグ対応機種を選ぶようにしましょう。
防水・防塵性能
スマホの防水・防塵機能というのは、そのほとんどが生活防水ですので、過信することはできません。
正しくは「IP〇〇」という表記がありますので、その規格に沿った内容でしか効果を発揮してくれないのです。
とくにお風呂で使いたいという人は、ただの防水ではダメな場合もありますので、ご注意を。
-関連記事-
■防水のスマホでも「水濡れ」することがあるって本当?防水機種でも気を付けたいあれこれ
ハイレゾ
物凄く雑に言うならば、とても綺麗な音で音楽が聴けるというアレです。
もう少し正確に言うならば、「生」に近い音が聴けるという感じですね。
ただしこれは「ハイレゾ音源」、「ハイレゾスマホ」、「ハイレゾイヤホン」が揃って初めて真価を発揮します。
そこまでこだわって音楽を聴く人が、スマホで音楽なんて聴かないんじゃないの?という疑問もありますが、こだわりたい方はこの点に注意して検討してくださいね。
生体認証
虹彩認証(目)や指紋認証といった、パスワードの入力よりも手軽かつ高いセキュリティを実現することができる機能です。
以前は画面ロックの解除くらいにしか利用できませんでしたが、最近では各種サービスのログインや決済時のパスワード代わりにも使えるようになっているので、指紋認証くらいは対応していてほしいですね。
非常用節電
もうすぐ電話がかかってくるのに電源が切れそう!という時や、災害などにあって容易に充電ができない状況に置かれた時に、必要最低限の機能だけを残してバッテリーの消耗を抑えてくれる機能です。
これがあればもしもの時も安心!…と言いたいところですが、いくら節電してもいつかはバッテリー切れを起こしてしまいますので、手回し充電器など万が一に備えた準備は別途しっかりしておきましょう。
まとめ
保存版ということで、かなり気合いを入れて書いたのですが、少し長くなりすぎました…。
しかし、この記事を参考にしてもらえれば、ある程度自力でスマホの比較や選定もできると思いますので、後はお財布とも相談しながら、ベストなスマホを手に入れてください。
もし身近に「スマホどれがいいかなぁ」と悩んでいる人がいたら、ぜひこのページを教えてあげてくださいね。
本当はこの後、利用シーン別の優先比較ポイントをまとめようと思ったのですが、それまで書くと1万文字を超える超大作になってしまうので、次の記事に分割したいと思いますw